今回は、癖を伸ばす為に縮毛矯正をして、白髪をぼかす為にブリーチして、髪が傷んでしまったので髪質改善を複数回したら髪がもっと傷んでしまった…
というお客様がどうにか治したい。いう事で当店にご来店頂きました。
before
まずはbeforeです。
髪質的には丈夫な髪で、施術履歴だけ聞くと相当傷んでてもおかしくないですが、その割には髪のダメージは見た目的には悪くない状態です。
ただ髪を濡らすと、櫛通りが悪くなり手櫛が通らないほど毛先にかけてダメージが露天してきます。
素材DATA
- 髪質 硬い
- 履歴 縮毛 ブリーチ 髪質改善トリートメント
- ダメージレベル 10段階中9レベル
- 悩み 髪のダメージをどうにかしたい
という事で、
そもそも、なぜ髪が傷んでしまったのか?という事なんですが、
美容室での施術履歴に問題があるのが明白なのは言うまでもありませんね…。
よく、甘ーい言葉で、
「髪質改善したら癖は治りますよ」
とか、
「当店のブリーチはダメージレスです。」
などの売り文句でやられると、髪の毛の状態を考慮せずにやりたいメニューをしてしまう事で事故が起きてしまいます。
髪の毛は全く傷んでない状態を100だとすると、カラーやパーマをやるたびに減点方式で100から−10という感じで引かれていきます。
引かれる数字は施術のメニューにより大きくなるので、その最たるものがブリーチや縮毛矯正などのメニューになるわけです。
なので、髪の毛の残り数字が20とかしない状態で、仮にブリーチが30引かれるとしたらマイナス10になるので、その時点で髪の毛のダメージがモロに出てきてしまいますと、チリチリになったりします。
「髪が傷んだら髪質改善」
よくこんな風に勘違いされてる方もいるので、ハッキリ言いますが、
髪質改善はどこも同じではありません。
トリートメントを髪質改善という所もあれば、縮毛矯正を髪質改善という所もあります。
お店ごとにより髪質改善というのは定義がとても曖昧で、
「何から髪質改善したら髪がツヤツヤになるんでしょ?」
というノリでやってしまうと後々大変なことになります。
今回のケースも、「髪が傷んできたので他店で髪質改善と言われる酸熱トリートメントをしたら髪がもっと傷んでしまった…」
という感じでした。
酸熱トリートメントとはなんぞや?
ところで最近やたらと酸熱トリートメントやら酸性縮毛矯正などというメニューを見かけませんか?
これは何なのか?
と言うことを簡単に説明すると、髪は弱酸性というのはご存知ですか?
基本的に美容室で縮毛矯正をする時に、アルカリ剤という薬剤を使って癖を伸ばす事が多いのですが、
アルカリ剤を使うと髪の毛のキューティクルが開いて薬剤を浸透させる事で縮毛矯正の薬で、元々の髪の毛の結合を切るのですが、
アルカリ剤はキューティクルを開きすぎるので、髪が傷みやすいとされてます。
それは、人は髪を触った時1番外側にくるキューティクルで判断してるので、キューティクルが損傷してると髪が傷んだ!と認識する人が大半なんです。
アルカリ剤は髪の毛の結合をたくさん切ってくれるので、その上でアイロンで癖を伸ばして、再度結合を繋げる事で縮毛矯正をかけるのですが、キューティクルが傷んでしまうので、
「縮毛矯正って髪が傷むよね?」ってイメージがついて回るのです。
ところが酸性と言う薬剤でキューティクルをそこまで開かないようして、髪の毛の中の結合は少しだけ切れるよね?って事で、
アルカリ剤でも酸性でも、癖を伸ばす為に結合を切るという点でやってる事は同じでも、
見た目に、キューティクルを開きすぎる事がない酸性の薬を使う事で、多少なりとも結合を切ってくれるため癖を伸ばす事が出来るので、
何回か繰り返す事で癖が少しずつ収まり良くなり、手触りがツルツルになると言う事なんです。
酸性の怖いところ
ところが、酸性の薬剤でも髪の毛の結合を切ってることには変わりないので、やってる事は縮毛矯正を緩くかけてるのとさほど変わりません。
なので、ブリーチ毛でも状態よって縮毛矯正をかけたり出来るのですが、
そもそもダメージが進行してる毛には結合がされてないので、もう結合を切る必要がないのに、
そこに酸熱トリートメントやら酸性縮毛矯正をすると、スカスカの髪がもっとスカスカになってしまい、髪が耐えられなくなり傷んでしまうという事です。
after
という事で、ダメージで髪の中身がスカスカになってしまってる毛において、髪質改善等で結合を切る行為をしてしまうと傷むだけなので、同時に結合を繋げてあげる作業が必要なんです。
じゃあ酸熱とが悪いのか?と言うとそういう事でもなく、
髪の毛の中に薬剤を入れない事には意味がないので、酸性の薬を使うは使うのですが、結合を切るだけになると傷んでしまうので、人工的に結合の片割れを入れていきます。
それが本来の髪質改善だと個人的には思います。
よーくみると、毛先がまだチリつきが残ってるのが分かると思います。
これでとなんとかウネリや指通りがマシになっています。
毛先のチリつきにおいては、何度か繰り返していく事で、髪の毛の中身が徐々に埋まっていくので、少しずつではありますが、収まり良くなりなっていきます。
まとめ
縮毛矯正をかける時は、髪の毛の結合を切ったり繋げたりするのですが、
癖を伸ばす為には、結合を切ったら位置をズラしてから再度繋ぎ直すので、どうしても結合が繋がって箇所が出来てしまいます。
それがダメージに繋がるので、
そこに酸性やらで再度結合を繋げる事で、髪が人工的に修復したように見えるというわけです。
今回は、ちょっと分かりにくい内容だったかも知れません。
これから髪質改善をやってみようかな?とお考えの方がいましたら、
今の髪の毛の状態がどんな風で、過去にどんなことをやっていたのか?をキチンと伝えた上での事をおすすめ致します。
今回の記事が何かの参考になれば幸いです。